人手不足が中小企業の最大の経営課題になる時代

 最近、お客様からの相談で一番多いのが「人材不足」問題です。新卒採用はもちろん、中途採用でも応募がほとんどないという声をよく聞きます。特に職人やパート・アルバイトが全くおらず、仕事が回らないという深刻な状況になりつつあります。
 近年は景気が回復傾向であり、有効求人倍率も上昇しているため、人材確保は難しい側面があります。富山県内でも、呉西地区を中心に昨年は大型施設のオープンが相次ぎ、そちらにかなりの人が流れたのは間違いありません。しかし、もっと長期的な根本課題として人口の減少問題、特に15 歳~ 64 歳の生産年齢人口の大幅減少が進んでいることが挙げられます。2010 年のピーク時には8,000 万人いた生産年齢人口が2060 年には4,000 万人まで半減してしまうと予測されています。業界、職種によっては既に深刻な人手不足が起きており、今後ますますそのスピードが加速していくこととなります。まさに人材確保を最大の経営課題として真剣に取り組まなければならない時代となりました。
 求人情報大手のマイナビのアンケートによると、人材が確保できているかの質問に対し、大手企業で6 割、中小企業は3 割しか確保できていないという回答でした。中小企業は採用の応募を集めるところから苦戦をしています。主にハローワークや、縁故や紹介が主な採用手段ですが、売り手市場の現在、それだけでなく、例えば下記のような新たな取り組みが必要となります。

1.募集方法の取り組み
 ・大学、高校、専門学校への直接訪問
 ・有給インターンシップ制度の採用
 ・ホームページ、Twitter やFacebook 等ソーシャルメディアの活用
 ・求人情報会社との提携

2.就業条件の改善
 ・時間外労働の短縮
 ・賃金引上げ
 ・メンタルヘルス対策、ストレスチェックの実施
 ・パワハラへの対策

 さらに上記に加え、会社説明会では企業理念と将来ビジョンを明確に伝え、ベクトルを共
有できる人材を確保することが重要です。