企業環境が激変する中の柔軟経営

 財務省の国内企業数の将来推計によると、2015年末に402万社あった企業が、2040年末には295万社へと大きく減少する見込みとなっており、中でも2015年から2025年の10年間では83万社の急激な減少になると予測されています。現在の取引先がいつまでも続くとは限らない時代へ突入しており、その危機管理が必要になっています。人口減少および少子高齢化の波、加えて昨年当初より新型コロナウイルス感染症が、経済や社会に甚大な影響を与えています。

 私たち経営者はどうすべきでしょうか。「これまでも幾多の危機を乗り越えてきた、だから今はじっと辛抱の時」と言われる経営者の方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、このように相次ぐ大きな構造変化に直面する中では、もはや過去の経営の成功体験では通用しないと考え、経営ビジョンを根幹から見直す必要があります。現状の商品・サービスが、変化する顧客ニーズに合っているのかを適切に捉え「どのような顧客層に」「どのようなニーズを満たす商品・サービスを」「どのように提供するのか」、原点に立ち返り改めて事業を見直すことが大切です。

 そのためには経営計画が重要な位置づけとなります。目まぐるしく変化する環境下では年次での計画自体はあえて策定せず、激変する環境に即応して事業運営を変遷させていく企業もありますが、顧客ニーズと自社の戦略のギャップを知らせてくれるのが計画値と実績値の乖離です。計画がなければ顧客ニーズの変化に気が付くことも出来ないでしょう。変化を迅速に掴み、環境に合わせ即座に計画を見直し、運営に直結させるスピーディーな対応が必要です。

 ポストコロナ社会に向けて経営計画にも柔軟性が求められる時代です。ワクチンも見えてきた新年、知恵を出し合いこの苦境を乗り越えてゆきましょう。