企業間の連携が中小企業を救う

 閉そく感漂う地方経済……それを肌身で感じている中小企業経営者はとても多いでしょう。中国をはじめとする海外新興国にその立場を脅かされている中小メーカーしかり、人口減少時代に入り消費不況に苦しむ物販業界しかり、後継者不足に頭を痛めている農林水産業者と、いまだかってないほどに地方が疲弊しているのは確かでしょう。
 そんな閉そく感を打ち破り、今後の成長イメージを描くための一つの方策として、企業間連携や、農商工連携があります。それぞれの産業や企業業務の枠組みを超えて新商品を開発したり、斬新なビジネスモデルの創出を目指してゆくものです。
 この企業間の垣根を取り払ってコラボレーションするメリットは①ウィン・ウィンの関係構築による相互補完効果と②企業がそれぞれ得意なものを出し合うシナジー効果が期待できるところにあります。中小企業には限られた経営資源しかありません、しかしそれぞれの強みを出し合うことで、大企業にはない小回りの利いた新しい技術・製品・サービスをつくることができます。
 また連携する企業から顧客の紹介を受け、それが本業の受注に結び付いてゆく効果も期待できます。下請けや納入業者として、これまでの取引先だけと付き合っているのが当たり前だと思っていて、単価の引き下げや取引量の減少に苦しんでいる中小企業が大変多い実情があります。これからの中小企業は早くそんな環境から脱し、自らの手で新しいものを生み出し、そして新たな顧客を開拓してゆかないと生き残れません。そのためにも異業種の企業間連携により新たな活路を見出していかねばなりません。それには、まず身近な地域の企業同士がお互いに企業視察を行い、お互いの取り扱い商品や持っている技術をよく知りあうことから始めてください。そこに思いがけない出会いやひらめきを感じることがあるはずです。きっと素晴らしい知恵が次々と浮かび、新たなチャレンジがスタートすることとなるでしょう。