勝興寺、平成の大修理完了する

 4月11日素晴らしい快晴の中、伏木の「雲龍山勝興寺」で平成10年から23年間に及んだ平成の大修理が終了し、その竣工式が行われました。

 勝興寺は本願寺八世蓮如上人が、文明3年(1471年)越中の布教の拠点として、南砺市福光土山に設けた「土山御坊」が起源で、蓮如の子孫が代々住職を務めました。天正12年(1584年)に現在の伏木に移ってからは「ふるこはん」と呼ばれ親しまれてきました。藩政時代には加賀藩前田家と関係を深めるようになり、越中における浄土真宗の触頭として、近代にいたるまで繁栄しました。約3万平米の境内には17~19世紀(江戸時代中期~後期)の建造物が多く残り、本堂、唐門、総門など12棟が国の重要文化財に指定されており、瑞龍寺に続いて勝興寺の国宝指定を目指しているところです。

 勝興寺は、私の自宅から徒歩7分ほどのところにあり、子供のころの慣れ親しんだ遊び場所であり、勉強の場でもありました。伽藍内の建造物は200~300年の年月が経過しており、保存修理が始まる前、見慣れた建物の損傷や破損が増してゆく姿を悲しい思いで見ていただけに、このよみがえった姿は江戸時代に入り込んだようで、感無量のものがあります。

 コロナ禍で重苦しい日々が続く中、久しぶりに晴れ晴れとした気持ちになれ、笑顔がいっぱいの竣工式でした。

 竣工式に合わせ、夜のライトアップが行われ荘厳な姿を映し出しておりました。

 中世の城の名残りと近世の大寺院の様式を今に残す貴重な文化遺産を、ぜひ訪ねてみてください。