安倍総理退陣と二代目経営者の帝王学

 今回の安倍前総理の「所信表明」直後の退陣は、多くの国民にとって驚きと失望を与えることとなってしまいました。安倍政権は安倍前総理のその若さと、サラブレットであること、そしてなによりも誠実味のある人柄に多くの人が期待を抱いてスタートしたはずですが、あまりにも早くあっけない政権崩壊に言葉を失ってしまいます。社民党の福島党首の「お坊ちゃまの我がまま・・」という発言がありましたが、二代目の弱さなのでしょうか? しかし小泉元総理も福田総理もみんな二代目です。まさに政治の世界は二代目の時代に入っているのです。
 一方、私たち中小企業経営者はというと、二代目から三代目に入ろうとしており、同じ問題をかかえているといっても過言ではありません。今回、多くの経営者は「経営が苦しいからといって、簡単に社長を下りられるわけではない!」と、納得のいかない思いを感じたことでしょう。しかし、企業経営においても同様のことが起きております。
 オーナー社長の子息が、社長の大変さを親を通して見ており後継したがらない、また一旦入社しても自分の意にそぐわないからと辞めて行く等、事業後継が今まさにピンチの状況であります。このままでは中小企業が崩壊し、それは日本経済の崩壊をも意味します。
 今私たち中小企業経営者は、自らの後継候補に対し責任を持ってしっかりとした帝王学を教えていかねばなりません。社長業とは、とてもやりがいのある仕事だけど、反面人知れず苦しむことも多く、「苦しいことに直面した時こそ、社長としての真価が問われる」ということ、また、「わが社を支えてくれている大切な社員と顧客は命をかけて守りぬく強い信念を持つ」ということ。そのことが真に責任を持った逞しい経営者を育んでいくのです。