昨年11月、2018年の中小企業の景況見通しの調査結果が日本政策金融公庫から発表されました。それによると2018年の①業況判断DI(「改善する」-「悪化する」)は、14.4ポイントと、2017年の16.9ポイントに比べて、少し伸び悩みという見通しとなっています。需要分野別業況をみると、建設関連、衣生活関連では上昇し、設備投資関連、乗用車関連、電気・電子関連は低下する、となっています。②経営上の不安要素としては、「人材の不足、育成難」や「原材料価格、燃料コストの高騰」があげられています。その結果③今後注力する分野として、「人材の確保・育成」の強化と、収益性確保の面から「販売価格の引き上げ、コストダウン」の対応が重要経営課題としてあげられています。
毎年、私達中小企業経営者は新年度の景況が気になるところですが、自社の業績はあまり影響されないのが現状です。
バブル崩壊以後、日本経済は長期にわたる停滞状態にあり、企業は従来と同じような経営を続けているだけでは生き残りが難しくなっています。しかしこの失われた20年といわれる厳しい市場環境の中、逞しく生き抜き、更なる成長を続けている中小企業も多数存在しています。こうした企業の共通点は新商品や新事業の開発に取り組み、他社には容易にまねのできない製品やサービスを展開し、特定分野での優位性を確保している特徴があります。そのためには、成長戦略として、商品戦略と市場戦略をしっかり策定する必要があります。
(1)商品戦略は現状商品の課題分析を行い、競合他社との差別化をどう図ってゆくか。また市場性の高い新商品・新サービスを他社に先駆けて取り入れてゆくことが重要でしょう。
(2)市場戦略は現状商品・サービス・技術を現在のマーケットとは異なるマーケットに展開する。異なるエリア、異なる客層、異なる市場等で展開することがキーワードです。
景況に左右されない強い体力のある企業にすることが大切です。