今年の日本経済の行方について、経済専門家はトランプ新大統領誕生の影響が重要なポイントと口を揃えています。
トランプ氏の公約である大規模な法人税減税、規制緩和の推進、インフラ投資の拡大などによってアメリカ企業の業績改善が進み、景気が拡大するとの期待感が強まりました。アメリカの株価は上がり、ドル高円安が進んで、日本経済にとっては良い状況となっています。しかし、トランプ氏の言動によっては状況が一変するリスクも大きく、今後の動向を世界中が注目しています。特に我が国経済に大きく影響を及ぼす環太平洋経済連携協定(TPP)について、トランプ氏は選挙中から脱退を公約しています。また、北米自由貿易協定(NAFTA)の大幅な変更で、メキシコに進出している日本の自動車メーカーや関連部品メーカーには少なからぬ影響があるでしょう。
一方アメリカ以外に目を移すと、今年はフランスの大統領選挙やドイツの連邦議会選挙など、欧州の行方を占う重要な選挙が予定されています。先ごろ行われたイタリアの国民投票ではレンツィ首相が退陣に追い込まれるという、既成政治にノーを突きつける動きが広がっています。フランス大統領選で反EUを掲げるルペン党首が仮に当選するような事態になれば、イギリスに次いでEU離脱のドミノ現象が現実のものになる恐れがあります。このような激動する国際情勢の中、我が国経済も様々に影響・翻弄される年となる可能性があり、それを予測することはかなり難しいことです。
私達にとって大切なことは、いついかなることが起きようとも、その変化にスピーディーに適応し、生き抜いていく逞しさとしたたかさを持った戦略を日ごろから策定し準備しておくことでしょう。
激動する国際情勢に加え、人口減少による国内市場の縮小などますます厳しさを増す中で、今こそ私達日本の中小企業の素晴らしい技術とスピード感で、変化を乗り越えていく年にしていきましょう。