100年に一度の不況と云われてからすでに1年になりますが、中小企業環境が好転する気配はまだ全くありません。特に今回の不況の特徴は全産業で売上高の減収が顕著で、1年経った現在でも以前の売上高の30%近い減収が続いている企業が多く見うけられ、そのほとんどが雇用調整助成金を受けながらしのいでいる現状であります。
こうした長引く先行き不透明な状況の中、かなりの中小企業経営者が経営に自信をなくし始めており、そのことがわが国経済の将来に暗い影を落としている、まさに日本経済のピンチであります。ここ数年来原料高に苦しめられ、加えてこの売上減収の洗礼。対応として徹底的な固定費の圧縮を行ってきましたが、それも限界に来ています。後は売上回復しかない、しかしこのご時世、バタバタ動いてみてもしかたがない。じっとひたすら耐えていくしかない、と多くの経営者が感じています。しかしそうでしょうか?冷静に考えてみると今こそ増収のチャンスではないでしょうか。
前述したとおり、大部分の企業が打つ手が見えなくなっています。それ故自社の利益につながる提案にはとても敏感に反応してくれます。少しでも安い価格、新商品開発につながる技術やサービスの紹介、作業効率のアップに貢献する提案等、今まで相手にされなかった大手や中堅会社でもよく話を聞いてくれるようになってきています。つまり自社の利益を上げるためのみの営業活動ではなく、お客様の利益につながる提案を切り口とした営業展開にポイントを置くことです。
「自利利他」(お客様の利益を考えることが、自社の利益を生み出してくれる)の精神で営業方針を見直し、営業話法の統一を図り、お客様に喜ばれながら売上増収を実現できる、まさに千載一遇の時期でありましょう。
この不況下でもどんどん営業し、しっかりと客内シェアのアップや新顧客を獲得し増収されている企業はたくさんあります。穴熊社長では問題は何も解決しません。「ピンチはチャンス」。悩むより外へ出ましょう。