国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(図1)によると、わが国の総人口は明治以降増加を続けてきて、2005年にピークの1憶 2,777万人に達しました。しかし、今後はしだいに減少に転じ、長期にわたる減少局面を迎え、2046年には1憶人を割り込み9,938万人となると推計(出生中位)されております。
図2の総人口は現在から40年後の2050年には25%減と推計されていますが、そのうち消費の中心をなす生産年齢人口(15歳~64歳)の推計を見ると、実に40%減となってしまう数値となっています。これは自然減と少子高齢化のダブルの影響によるものであります。
これは今後すべての国内消費マーケットが縮小することにより、売上減少が続くことを意味します。そのため大手はいち早く資本提携やM&Aにより集約化、系列化を推進し対応し始めていますが、中小企業はほとんど対策を立てていないのが現状です。また大手は今回の大きな不況の原因となった輸出依存型の構造転換を図るため、海外への直接投資を強化していく流れもあり、下請けや資材供給をしている中小企業は大きな転換を迫られることとなります。
これからの中小企業経営は、①オンリー1で独自の商品やマーケットを持ち、非価格競争の業態にする②時代にマッチした事業の展開③飛躍的な生産性の向上④合併・買収による集約化等の対策を取っていく必要があります。そのために、企業の将来ビジョンを明文化する「中期経営計画」の立案が不可欠であります。明確な方向性を決定し、その行動計画を策定実践することが、企業の存続と発展を実現してくれます。