今回の東日本大震災では、地震や津波による死者および行方不明者は合わせて2万8千人を超え、住宅、工場その他多くの建物が被害を受けました。また原発事故はいまだ深刻な状態が続いています。この未曾有の大震災が、今後の日本経済に与える影響は計り知れないものがあります。
各界のリーダーやメディアは「短期的にはマイナス成長となることは避けられないが、長期的には復興が日本経済を押し上げるだろう」と予測をしています。しかしながら20兆を超える復興資金が財政負担を増加させ、増税や社会保障費の負担増により、日本国民には忍耐が求められることになるでしょう。
心配なのは、この震災で多くの工場が被害を受けたため、①資材の入手が困難になり納期の遅延が頻発すること。②国内大手企業の海外生産シフトにさらなる拍車がかかること。③また日本に品質の高い部品・製品を頼ってきた各国は、急成長している別の国に鞍替えを始めるのではないかと懸念されることです。
リーマンショックからようやく立ち直り始めた我が国の中小企業にとっては、さらに苦しい経済環境が続くことになります。それを見越し、しっかりとした準備をする必要があります。特に停滞する売上に対し新たなる開発営業を強化すること、および納期遅れに対する資金の確保が必要でしょう。
しかし最も大切なことは、かつて我が国が戦後の荒廃の中からたくましく立ち上がり奇跡の経済復興を遂げたように、すべての日本人がもう一度原点に帰って頑張ることでしょう。私は最近経営者の皆様に「今までが良すぎたので、昔は何にも無いところから始まった。あのころの気持ちに戻って再スタートすれば良いこと。どうってことはないでしょう。必ず日本は立ち直れますよ」と言っています。
自分を信じ、社員を信じ、優秀な同胞日本人を信じ、お互いに助け合いコラボレーションをすることがこの国を救うこととなるでしょう。
「頑張れ日本!」