3 月中旬、サンフランシスコで開催されたM&A 国際会議に参加し、世界を席巻しているシリコンバレー発のイノベーションを強烈に肌で感じてきました。
シリコンバレーのベイエリアにはApple、Google、Facebook などのインターネット&モバイルの巨人はもとより、自動車配車サービスのUberや、民宿マッチングのAirbnbといった新興勢力が、いままさに世界市場を握ろうと虎視眈々と狙っている、世界で最も熱い地域です。
IT技術を駆使して、新たな市場を創造し、既存の業界を破壊し世界を一変させた最もわかりやすいのがスマートフォンです。スマートフォンはそれまでの携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ゲーム機、電子書籍等の業界を横串で刺しぬいて、それまでは別々の市場を築いていた産業をすべて呑み込んでしまい、爆発的に成長しました。シリコンバレーは何故このようなイノベーションを次々と起こすことができるのでしょうか。
いま起きているのは、ソフトウェアによる自動化です。ソフトウェアにより人間の活動を取り込み、変形し、置き換えて自動化する。一見複雑に見える人間の行動も、一連の作業を細かく分解していくと、単純なタスクの組み合わせになることが多い。人間の活動を小さなタスクに分けて定型化し、コンピュータのプログラムによって再現する。コンピュータの処理能力の飛躍的な向上(20 世紀を通してみると76 兆倍)により、人間の活動をマシンが実現できるようになってきたということです。最近のよく聞くクラウド、ビッグデータ、 IoT、フィンテック、人工知能といったテクノロジーはすべて同じ現象から成り立っています。人力で行われていた作業をコンピュータが自動で代替してくれるのだから、飛躍的に生産性は上がり、今までできなかった新しいことができるようになる。まさに既存の業界を破壊する、恐るべきイノベーションと言えるでしょう。
Google は2025 年に完全自動運転の車を完成させるといっています。世界の自動車メーカーがGoogle に取って代わられる時代が近いかも知れません。
私達日本企業は、シリコンバレーで生み出される成果と活力を積極的かつスピーディーに自社に取り込むことこそ大切と考えます。