最近、中小企業経営者の中に、先行きの経営に自信をなくし、早く社長を辞めたいと訴える方が増えてきています。これは経済の先行きが不透明というだけではなく、根本的に経営のあり方に不安を強く感じている現れでありましょう。
戦後わが国の人口は右肩上がりに増加、それに伴い国内マーケットも右肩上がりに拡大してきました。多少の好不景気の波はあったものの、物不足の時代から増収を繰り返してきた時代。その経営が今まさに大きく変わろうとしています。つまりついに始まった人口減による国内マーケットの縮小及び、大手企業の海外シフトという、かつて経験をしたことのない右肩下がりの時代での経営の在り方に対し、大きな戸惑いを隠せない状況であります。
わが国の産業界に今大切なものは、新たなるフロンティア精神であります。この10年間で企業経営者の60%が世代交代を迎えますが、まさに若い感性で新しい枠組みを考えることが重要でありましょう。特に事業承継者には、先代の事業を守るのみではなく、事業を刷新させ切り込んでいく勇猛果敢なマインドが必要とされています。
(1)イノベーション(経営革新)を起こし、企業内で第Ⅱ創業をめざす
イノベーションは一番を目指す試みから初めて生まれるもの。一番といっても広い地域や業界で一番でなくても良く、町一番でも一番である。そして一番になれそうな製品、サービスを選択し、それを市場のあるところへ投入すること。
(2)現行顧客に対し新たなサービスを提供し客内シェアをあげる
たとえば、物を売るだけではなく、現場の知恵を提供し顧客担当者の役に立とうという提案力を強化し、新たな企業ニーズを掘り起こす。
(3)現行製品で勝負するには、市場のあるところへ出かける。つまり市場のイノベーション(エリア、客層、市場の新規開拓)を起こす
たとえば、回転の悪い昼間の時間帯に団塊世代の客層を取り込む等(P4参照)、経営の新たな成功要因をつかみ取ってゆくことが重要である。