事業承継対策は大丈夫ですか?

 近年、経営者の高齢化が進行する一方で、後継者対策を行っていない会社が多く存在します。後継者がいないという理由で廃業する会社が年間約7万社存在するといわれ、事業承継が円滑に出来なかったために紛争が生じたり、会社の業績が悪化するケースも多く存在します。現在、中小企業において事業承継問題は非常に重要な問題になっているのです。
 事業承継の選択肢としては下図の通り大きく4つに分類されます。

 (1)の株式上場はごく一部の会社が選択できる例外的な選択肢であります。
 次に(2)の後継者への承継を考えます。社長の御子息等、親族への承継が一般的ですが、御子息が会社を継ぐ場合には社内・社外での経営者としての教育が必要であり、また経営権の集中を図るための株式等事業用資産の後継者への集中、株式の相続にかかる相続税対策等、先を見据えた対策が必要です。親族に後継者がいない場合、従業員による承継を考えておられる経営者は多いと思われますが、従業員に株式を買い取る資金が無く、さらに借入金に対する社長の個人保証の引き継ぎが行えないという問題があります。現状においては、従業員への事業承継は経営と所有(オーナー)の分離を図らない限り難しいと認識しておいた方がよいでしょう。
 更に(3)のM&A(第三者への事業承継)について考えます。この場合、事業の存続と従業員の雇用確保を図れ、社長本人の個人保証も外され株式売却によりハッピーリタイアの実現が可能となります。しかし、その為には周到な準備と売れる会社にする為の「会社の磨きあげ」が必要となります。
 (1)~(3)の事業承継対策に失敗すると(4)の廃業となりますが、この場合従業員はすべて解雇され、各取引先への影響も懸念されます。また会社を清算したとしても、会社資産は簿価の数分の一程度に評価され、借入金の返済にも足りず莫大な負債のみが残るという場合が多く、廃業は回避すべき手段と言えるでしょう。
 円滑な事業承継を可能にするには、早めに的確な事業承継計画を立案する必要があります。事業承継対策は通常10年程度先を見越して行うことが必要です。
 トマック・Jタックスにおきましても事業承継の様々なパターンに対するご相談を広く承っております。お独りで悩まずに是非とも弊社までお気軽にご相談下さい。