生き残りをかけた・勝負の2年

 アベノミクス効果もあり、現在わが国の経済は久方ぶりに明るさを取り戻し、少し先行き感も明るくなったように感じます。しかしこれで私たちの企業経営も何とか持ち直しホッとすることになるでしょうか。
そんなわけではありません。わが国の人口減少は歯止めがかかっておらず、毎年消費マーケットは縮んでゆくことは確実です。また大手企業の海外シフトもさらに進んでおり、今や海外売上比率が 70%を占めるにいたり、国内の空洞化が顕著になっているのも事実です。
今回の期待感は、確かにこのところ長く続いていた閉塞感から解放され、久しぶりに前へ出ようという機運が働くでしょう。しかしそれが長く続くかというと必ずしもそうとは思えません。せいぜい2年間ぐらいと云うのが一つの定説であります。

 このわずかな景気好調の期間に、自ら長期好調を維持できる企業に変身するため何をすべきかを考えることが重要でしょう。

 (1)先ず自社をしっかり見つめ直すチャンスと捉え、自社の強みと弱みを知ることです。
例えば取引先が一極集中している場合、昨今M&Aにより主要取引先が突然吸収されてしまったり、海外マーケット拡大のため生産拠点を海外に移すことになるなど、一夜にして売上が無くなってしまうことも珍しくありません。常に情報に注意し先取りする姿勢が重要です。
また取引先が一業界に集中していると業界不況の波が同時に来るので業界のリスク分散を図っておくことが必要です。
一方、自社の商品やサービスが今後の成長産業に位置していることも大変重要です。取引業界の先行きをチェックし、衰退業界等リスクの多い構成になっている場合は軌道修正が必要です。反面、競合他社と比べ自社に強みがある場合は、その強みをさらに強化することにより、絶対的有利性を確保するブランド戦略が良いでしょう。

 (2)次に台頭するアジア諸国等との国際競争がさらに進んでいくことに対し、日本の素晴らしい技術力を誇りを持って守りぬくためにも、アメーバ経営(京セラ稲盛氏が提唱する経営手法)による生産性向上を全社員で実践共有し、品質面に加え価格面でも対抗して行く体質を造ってゆくことも大切です。

 「チャンスは向こうからやってくるものではありません、自らつかみに行ってこそものにできるのです。」